背伸びしないでできる、リサイクル。 和服編
- Catona広報
- 2016.04.08
ホームページでも広告しているように、セレクトリサイクルブティックCatonaでは毎日、たくさんの洋服が各店舗まで持ち込まれてきます。
ちょうど桜の花がきれいに咲き誇るこの季節は、衣替えの影響でしょうか、ちょっと前まではまだ寒くて手放せなかった冬物のコートだとか、ジャケットが数多く委託販売としてなだれ込んできます。
少しずつですが、洋服のリサイクルに関心を持って頂けるお客様が増えてきたり、定着してきてくれていることは「洋服のリサイクルを文化にしよう!」なんて息巻いている私たちには嬉しかったりします。
そんな私たちですが、まだまだ力不足で皆様にお伝えしきれていないサービスもあります。
例えば、本日紹介したいのは和服の買い取りサービス。
洋服に比べると和服の需要は商売としては厳しい環境にありますが、皆様に和服を着る敷居を低くするようにお求めやすい価格で提供しながら
和服のリサイクル市場を試行錯誤している段階です。
ここで先月の和服買い取りの例を紹介させてください。
和服は重いので店舗への持ち込みだけでなく、着払いで送られてくることも少なくありません。
和服といっても素材・製法・銘柄など様々な要素をスタッフが査定して買い取り金額を提示させて頂きます。
これまで送られてきた和服のなかで目にすることが多い素材は、正絹(シルク絹物)・木綿(コットン)・ウール(羊毛)・化繊(ポリエステル)・麻(麻生地)
化繊の生地は高価とまでは言えませんが、状態と柄を見させて頂き買い取り対象にしています。
箱を開けてみると今回は18枚(和服は単位を枚で数えましょう)入っていました。
奥に見えるダンボールも同じお客様から届けられた和服でした。
和服の柄を文様(もんよう)と呼んでいます。
古くから伝わる模様だったり、地域で少しずつ形を変えて今まで伝わっています。
自然物から伝わる文様が多く亀の甲羅から伝わる亀甲(きっこう)波の形からついた名前の青海波(せいがいは)等が有名です。
ダンボールに梱包された和服をきれいにたたみ直しながら同時に素材、文様を手に触れながら確認して査定します。
着物には「染めもの」と「織りもの」があります。
白の生地から絵画のように模様を染める「京友禅」「加賀友禅」などが有名です。
個人的お薦めしたい模様が「絞り染め」糸を巻き付けて染める手法ですが、白の生地を残す細かな模様です。
子鹿の背中の模様に例えられたりするんですよ。
こちらは畳紙(たとうがみ)
和服を包む紙のことです。
「お誂え」と書かれていることが多く見受けられます。
販売する呉服やによって絵柄、墨がことなるので見ているだけで楽しめたりします。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
和服のリサイクルで大きな障害となってしまうのは「虫食い」なのかもしれません。
やっかいなことに、ホンモノも絹で織られた和服は虫さんにとって「とっても美味しいもの」なのです。
正絹の和服だからこそ「捨てずに取っておきたい」そんな気持ち理解できます。
私たちも同じように大切な和服を捨てられずに保管しているからです。
ですが、管理の行き届いたコレクターさん以外なら和服も減量化する必要があるかもしれません。
食べられて価値を落とす前に。
もちろん食べられてしまった和服にも他の選択肢を用意しました。
外国の旅行者です。
彼らは完璧を目指していません。決して外国の旅行者を馬鹿にしているのではないのです。
外国の旅行者は敷居の低い金額で私たちの日本の文化に触れたい。そんな気がしてなりません。
中古の和服が外国の旅行者にとても喜ばれることを私たちは知りました。
安い和服を自慢げに買ってお土産として購入する姿はきっと明治時代に日本の浮世絵をこぞって買い集めた
ヨーロッパの商人に重ねて見てしまいます。
日本を訪れてくれた旅行者が、お土産として購入した和服が遠い異国の地でその家族に披露されて絶賛されている光景を私たちはワクワクしながら思い描いています。